10月に面白法人カヤック様という会社で「ゲームニクス」についての講座がありました。
その講座に出てきた「肩越しの視線」という考え方が使いやすいシステムを作る上で大切な考え方だと感じたので、参加レポートをかねて当日の内容の一部を書きます。
- 講座の概要
場所:面白法人カヤック様 恵比寿オフィス
日時:2011/10/21
演者:立命館大学 サイトウ・アキヒロ教授
概要:
日本の家庭用ゲームには、プレイヤーが説明書を見なくても操作方法に迷わないよう、様々な工夫が詰まっている。これらのテクニックをまとめ、体系化したものをゲームニクスと呼ぶ。
今回の講座では、ゲームニクスが誕生した背景とそのテクニックの一部をファミコン黎明期よりゲームのディレクションに携わってきたサイトウ教授が説明する。
※本記事では実際のテクニックではなく、ゲームニクスが誕生した背景に絞って書きたいと思います。
- ゲームニクスが誕生した背景
- 家庭用ゲーム機の歴史は1983年のファミコン発売から始まったと思われがちだが、それ以前にもアタリ社が販売していたゲーム機がアメリカで広く普及していた。
- しかし、アタリ社のゲーム機向けのゲームは、開発しようとすれば誰でも開発でき、アタリによる品質チェック無しに発売できたので低品質なゲーム(クソゲー)が氾濫して、市場の信用を失い、売り上げと株価が暴落した。
- アタリの 失敗を見た任天堂は、ゲームの品質をチェックする機関「マリオクラブ」を設立した。マリオクラブでは一般公募で集めたプレイヤーに審査対象のゲームを遊んでもらいゲームの品質をチェックした。
- 審査内容はプレイヤーにA4一枚分程度の説明書だけを与えて、後は操作方法についての説明が無い状態で遊んでもらい、詰まらずに操作できるかをチェックすると言うものだった。
- 当時はマリオクラブの審査に通らないとゲームが発売できなかった。
- 「肩越しの視線」の大切さ
- ゲームの面白さは大切だが、操作方法が分からなければそもそもその面白さまでプレイヤーはたどり着けない。
- 当時のゲームクリエーターたちは、ゲームを作っている最中に他人にゲームで遊んでもらい、その様子を肩越しに見て、プレイヤーの行動を確認しながらゲームの制作を進めた。
- ゲームクリエーターは「このアイディアいい!」「おれグレイト!」と言うエゴを持っている。
- 作った人は作った人のエゴで物事を見てしまうが、他人の視線、肩越しの視線が大切。
- 感想
- ゲームクリエーターに限らず、モノ作りをする人であれば、自分のアイディアに対して自信を持つ事があると思いますが、それを「エゴ」と呼んで、あくまで使う人の使う人の視点(「肩越しの視線」)にこだわる姿勢が強く印象に残りました。
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